『ラースと、その彼女』シネクイント


素晴らしいっ素晴らしいっ素晴らしいっ!題材が突飛だけどこれは飛び切り繊細な通過儀礼の物語だ。人ってとても臆病なものだと思うんだけれど、虚勢とか根拠のない自信とか自分なりのファンタジーを介在して人と繋がっている、それがラースの場合はラブドールの彼女というファンタジーであって、自分が愛される怖さとか生まれてくる命に対する不安を象徴している。そのファンタジーを周りの人たちは受け入れていって、ラースも自分自身を受け入れていく。滑稽さといたたまれなさをユーモアで包んで暖かい物語としているこの作品は実に素敵だ。個人的にはラースの心情を思い浮かべて後半は涙が止まらなかったよ。いやーいいものを観ました。