鎌倉

今日は鎌倉へ。たらば書房で本を眺め、スターバックスで読書。鎌倉といえば僕には保坂和志である。と云う訳で持参した『季節の記憶』を読みはじめたので、稲村ヶ崎まで歩きたいが、おそらく長谷か極楽寺あたりまでしか行けないだろう。保坂和志が文庫版あとがきで書いている「北鎌倉と鎌倉のあいだのトンネルを抜けるとドドッと緑に包まれる」陶然となる瞬間で繁茂する緑のような印象の小説が理想としている。幼い頃から観た風景だけれど、今日初めてその文に共感出来たかもしれない。御成町から扇ガ谷の通りを歩くと古本屋があったが、店主はまだ開店していないという。この通りも随分雑貨屋や洋品店があるものだ。線路を渡り雪ノ下の住宅街をしばし歩くと鎌倉市川喜多映画記念館へたどり着く。映画の券を買い、1時間ほど時間があったので鏑木清方記念美術館へ。『にごりえ』の絵葉書を買い映画館へ戻り東宝のポスター展示を眺める。『沈丁花』を観る。思いのほか楽しんでしまい、次回以降の原節子の映画も観てみたくなってきた。帰りも行きと同じコースを辿る。小町通り等人混みにあわなくても鎌倉で過ごせるものなのだな。カフェで休んだあと、裏通りをてくてく歩いて由比ヶ浜へ。海辺を裸足で闊歩している人々、静かに海を眺めている男女たちと共に日が沈んだあとの黄昏の景色を堪能する。思わぬ夏の残り香である。友人と北鎌倉で食事をすることになり、長谷駅から江の電に乗り込む。鎌倉で乗り換え北鎌倉へ。待ち合わせ場所の予定であったカフェバーはライブ中で入れそうになくしばし途方に暮れる。iPhoneの電池も切れる。大船方面に歩くとジャンヌ・ダルクという老夫婦が営んでいる純喫茶があり、そこで本日3杯目の珈琲を飲むがここが一番美味しかった。友人が来たので近くの佗助という居酒屋でビールを3本飲み、目当ての店の席が空くのを待つ。21時近くになりようやくタケル クインディチというイタリアンに入る。味付けのソースや非常にレベルの高い