『君の名は。』TOHOシネマズ海老名








ありがとう……僕のなかにいた『秒速5センチメートル』を成仏させてくれてありがとう新海誠……と泣き崩れた。空間と時間の距離と恋を風景に託した鏡のような映像詩から軽やかな物語るエンタメ作品へと拡がりをみせた作品。都市の幻想・伝統の幻想を交錯させ、天体ファンタジーのカタルシス、ラブコメと切ない恋をも描いて魅せた新海誠の到達点。おじさん、年甲斐もなく代々木や四ツ谷ら辺で車窓から対向列車を眺めたくなりました。しかし神木くんの女の子演技は可愛いな。興奮した。前作までの新海誠作品は、インスタレーション作品やコンテンポラリーダンスなど自分の感性で受け取り方が異なる様な作品だったと思う。パンフで語っているようにCFなどで脚本技術を磨きあげ、芝居・映像としてコントロール出来た印象。りなかった脚本力を手に入れた新海誠はアニメーション作家として飛躍したけれど男女の様々な距離とテーマが一貫しすぎているのがどうなるか。アニメ映画業界、繊細なエンタメ作品を創る作家に加え、大友克洋今敏の様な異能の系譜も出て欲しいな。

11:25〜13:25