『碧空』 長野まゆみ 集英社

凛一は華道の家元を継ぐ少年、京都の大学でフットボールをしている氷川と恋をしている。ある日、凛一は写真部で現像をしているとき、一つ上の学年の有沢改と知り合う。
彼らは揺れる。彼らの周りの人たちと共に…

相変わらず、端正で瑞々しく、巧緻極まる細工物のような物語です。そして、何処かフィルターを通したような懐かしさと情景への
デジャ・ヴを感じられます。作風は、童話のような少年たちから、どこか希薄だけど、確かな存
を感じられる少年たち、その性を幽かに感じられるものになってきました。登場人物、世界観、とても気品があります。
そして碧空が広がって…