『光の帝国』恩田陸 集英社

トーリーは常野と呼ばれる不思議な能力を持った一族に関わる人々を描いた連作短編集です。一編一編が不思議なリンクをして、巨大な物語の続きを連想させます。恩田陸の物語は日常、郷愁、ファンタジー、救い、絶望、希望と様々なものを取り込んだ不思議な心地をもたらしてくれます。なかでも、物語のもつ「不思議」と「郷愁」(帰る場所)を強く感じさせてくれ、「続き」を読者に想像させる力を持っていると感じました。