『真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-A』

『真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B』本多孝好 新潮社

  • 発売が楽しみな本多孝好の新刊は恋愛長編作。ジャケットはペーパーバック風ながら、都会の厭世感と適度な距離感が漂う彼の著作らしいデザイン。
  • 少々疑問に思うのは、男性作家の描く恋愛小説はまず恋人を失った位置から描かれることが圧倒的に多いこと。この作品も、大崎義生の同音異曲の作品群もしかり。昨今は特に多い気がする。失ったものを改めて見据える、違うものとして得ていく、失ったものを取り戻す。これが男の永遠のテーマなのかな。良作が多いことも確かだけれど、やっぱり女性作家と比べるとパターン化の傾向が強く感じられるかな。