『真昼ノ星空』ユーロスペース

中川陽介監督の最新作。台湾人の殺し屋リャンソン(ワン・リーホン)は殺しを終えて沖縄に身を潜めている。スイミングプールに通い、一軒家で料理やプラモ造りなどで静かな生活を楽しんでいる。そんな彼は土曜日の夜にかようコインランドリーで仕出し弁当屋で働く由起子(鈴木京香)と出会う。一方プールの受付で何も変わらない日常を生きるサヤ(香椎由宇)は毎日通ってくる青年が気になっていた。
非常にゆったりと観られる良い作品でした。沖縄の島国ファンタジー的要素ではなく、殺し屋という都会のファンタジーに題材を得て、那覇という都市の日常の中に潜む湿った道、部屋を横切る海風、木漏れ日や青く澄んだ空を写しこんでいきます。
ワン・リーホンはカッコイイですね。ちょっとロマンチックすぎる設定の殺し屋を演じても嫌味になりません。訥々とカタコトの日本語で喋る彼はいやほんと良い青年過ぎるよと思いましたが。鈴木京香は、沖縄の湿った空気がよく似合うと思います。湿り気が潤すアジアンビューティーといった感でしょうか。