『ゆれる』シネ・アミューズ

これは名作ですねえ。構成はいたってシンプル。でもその中で、兄弟の羨望、嫉妬、信頼、愛情といった感情が振り子のように行き来し、一面ではない互いの真の相貌がみえてくる物語となっています。事件の真実を描くよりも、人が向き合う瞬間を描いたものとしてかなり評価できます。演出はオダギリジョー主体だとたまにアメリカ映画の影響を受けたむかしの日本ドラマ風なのが面白いです。香川照之の感情の表出と表面の笑顔の演技がすごい。真木よう子は不幸を背負わせたような表情が印象的な女優さんですね。新井浩文、この存在感はすごい。今一番好きな役者かも。