『2:37』東京国際映画祭コンペティション TOHOシネマズ六本木

オーストラリアの若干22歳のムラーリ K. タムーリ監督の19歳の時の作品。
冒頭、ハイスクールの一室で死んでいるのではという場面から始まり、その日の1日を6人の少年少女の行動をインタビューを加えたドキュメント方式で再現した作品。
この世代特有のパワーゲーム的な人間関係の緊張感をリアルに描いている。語り手たちの日常を生き抜く過酷さを徐々に炙り出していく。全編に渡って登場人物たちの緊張感と心の不協和音を突きつけるので観るものにもかなり過酷な作品。ラストの仕掛けと予定調和かつ唐突と思える死の見つめ方の描写は驚きをもって観られた。

ティーチインでは、友人を自殺で失い、自らも自殺未遂の経験や、オーストラリア映画界での資金調達のさいのエピソードなど語った。終了後、サインを求めて並んでいる方達の列ができていた。