7月の読了本

  1. 嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん―幸せの背景は不幸』入間 人間 メディアワークス

十八時の音楽浴―漆黒のアネット (ガガガ文庫)

十八時の音楽浴―漆黒のアネット (ガガガ文庫)

ぐるりのこと (新潮文庫)

ぐるりのこと (新潮文庫)

他者の視点を、皮膚一枚下の自分の内で同時進行形で起きている世界として、客観的に捉えていく感覚を、意識的なわざとして自分のものにする。それは、観念的なものとしてではなく、プラクティカルなものとして。思考されるものとしてでなく体感されるものとして。冷静に日常の意識を持続させたままで。自分を保ったままで、自分の境界はしっかり保持したままで、違う次元の扉を開いてゆく。

(けれども、それは種全体で到達しなければならない境地で、種全体としてはじつはそれをのぞんでいないのではないかしら。だったら一人でこんなことを考えるなんて、虚しく馬鹿げたことなのかもしれない…)
「隠れたい場所」では今の時代の生の感覚として下記のことが描かれている。世界を大きく二分するわかりやすい対立関係ではなく、直線的でスピード感強い動的な動きと、進歩ということがそもそも念頭にない(あるいは非常に意識的にそのことに懐疑的な)前近代的ともいえる静かでわかりにくい諸々で構成されたムーブメント。スピーディーなものとスローなもの。クリアーなものとダルなもの。有刺鉄線的なものと生垣的なもの。そういう、今まであまり表に出なかった、けれど本当はそもそもの最初から仕組まれていた、大じかけな対立が、なんだか最近、とてもよく見えてきたような気がする。
(『ぐるりのこと』梨木香歩)
入り混じっていた混沌とした世界が次第にクリアー度が増し、そのクリアさが迫る選択に次ぐ選択をしていくことにより世界も国も人も今加速度的に曖昧な混沌さが失われてきている、境界をクリアーにしてゆく何かの力に加担してしまっているのではないかとも記している。今この世界に生きるものとしてその加速度を少しでも緩やかなものとしたいそういったスローな生がまた混沌を生み出していけば良い。そう例えば星を観るとかして。

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

雨はコーラがのめない (新潮文庫)

雨はコーラがのめない (新潮文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

わたしたちの田村くん〈2〉 (電撃文庫)

9S(ナインエス)〈8〉 (電撃文庫)

9S(ナインエス)〈8〉 (電撃文庫)

均ちゃんの失踪

均ちゃんの失踪

明るい旅情 (新潮文庫)

明るい旅情 (新潮文庫)

グランド・フィナーレ (講談社文庫)

グランド・フィナーレ (講談社文庫)

殺×愛1―きるらぶONE (富士見ファンタジア文庫)

殺×愛1―きるらぶONE (富士見ファンタジア文庫)

マドンナ (講談社文庫)

マドンナ (講談社文庫)