『トヨタコレオグラフィーアワード ガラ公演』シアタートラム

黒田育世振付 「SIDE B」 出演:BATIK、顔の見えない追いたてられている少女性が最後に泣き笑いの顔を獲得している。砂連尾理+寺田みさこ振付・演出 「あしたはきっと晴れるでしょ」 出演:金沢ワークショップメンバー(小西建太朗/横谷理香)、素晴らしい。じゃれみさの欧州的センスの日常ダンスをかなりの身体性で表現出来ている。ちょっと吃驚。黒田育世振付 「モニカモニカ」より 出演:福岡ワークショップメンバー(後山阿南、烏山茜、菊沢将憲、高山力造、畠山勇樹、蓑輪壮平)、『リトル・ミス・サンシャイン』に出てきた眼鏡ちびっ子おなかこっぽりのヒロインみたいな女の子が満面の笑みを浮かべているスタートに驚愕。え、モニカモニカモニカだよな?若い男の子たちが飛びはねていたり思いがけないストーリー性があったりして、黒田さんがこんな振り付けをするとは、と意外性に戸惑う。山崎広太振付・出演 「イルカ狂」、ちゃらんぽらんさ、キャラクター性に支えられた山崎広太独特の世界。もう楽しんだもの勝ちですわ。ポストトークでもやはり面白い。司会者の生真面目さとのギャップといったら。ああ笑った。全体的に初心者向けというか異様な分かりやすさのある公演だった。振り付けに徹してワークショップで選んだダンサーたちの踊りで振付家としての実力を測るということでは結構面白い試みかもしれない。でもダンスを見るうえでの観客との闘い哲学的なエッセンスはない公演でもあるかな。来年の本公演に一応期待ということで。