『トウキョウソナタ』恵比寿ガーデンシネマ


現代の閉塞感を描かせると黒沢清はさすがだなとの感。携帯電話でのつまらないプライドや見栄で笑いをとるのも巧いし、食事のさいに現れる家族の関係性を明示するのも唸っちゃう。ただ、男性が徹底的なリアルの底に押し込まれるのに対し、女性がどこかで観たようなファンタジー的な出来事で再生させるのはこの方の限界かなとも思った。役所広司をあそこで出すかあ、とかラストのピアノソナタはずるいとか思うけれど、5年に1度くらいこういったレベルの作品を描いてくれれば嬉しいかな。