『罪の手ざわり』ジャック&ベティ


(C)2013 BANDAI VISUAL, BITTERS END, OFFICE KITANO
ジャ・ジャンクーの描く中華の大地を流転彷徨する人民、労働者たちへの寄り添い方が好きだ。四つの物語では中華の動脈を支える交通インフラ、造りづけられる施設、そのスケール感を堪能出来る。バイク、バス、高速鉄道、バイクタクシー、空港。肉体だけでなく揺さぶられる心や魂を描くことにより、激動の中国で変わりゆくもの、変わらぬ普遍性、おそらく王朝革命により容易く喪われて来た人民の命への愛惜をも感じられる作品だ。そして今回の作品を貫く暴力という装置。ジャ・ジャンクーの作風には合ってはいるし、より無情・無常観を煽ってはいるが、中国の北野武を観たい訳ではないので、これ一作限りにして欲しい気がするのである。

18:10〜20:25