『吉例顔見世大歌舞伎』歌舞伎座

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2019年11月1日(金)~25日(月)

昼の部 午前11時~

『研辰の討たれ』ユーモアたっぷりの異色の仇討もの。町人上がりのへつらい武士、時間が風化させる憎しみ、敵討ちを観る移ろう群衆心理。場面場面の美術もとても好き。幸四郎の研辰のメタルギアソリッド、なりふり構わぬ生への執着の滑稽さが見事!

研辰の討たれ
11:00-12:30

幕間 30分

関三奴
1:00-1:15

幕間 20分

梅雨小袖昔八丈
髪結新三
1:35-3:55

昼の部
木村錦花 作
平田兼三郎 脚色
一、研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)
守山辰次
僧良観
    幸四郎
    鴈治郎
二、関三奴(せきさんやっこ)


    芝翫
    松緑
河竹黙阿弥
三、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
髪結新三
髪結新三
手代忠七
弥太五郎源七
後家お常
家主長兵衛

    菊五郎
    時蔵
    團蔵
    魁春
    左團次

一、研辰の討たれ(とぎたつのうたれ)
近代的な感覚にあふれた異色の敵討劇
 刀の研ぎ師だった守山辰次は、今は侍の身。口が達者で屁理屈ばかり言ううえに、仲間のことを奥方に告げ口をするような鼻持ちならない男で、ついには家老の平井市郎右衛門から態度を咎められますが、逆恨みして騙し討ちにする始末。敵を討つべく研辰の行方を追う平井の息子たちから、必死に逃げ回る研辰でしたが…。
 どこか憎めない愛嬌をもつ研辰を描き、江戸時代の武家社会では最高の美徳であった敵討ちを、大正時代に近代的な視点でとらえ直した異色作です。

二、関三奴(せきさんやっこ)
二人奴の派手やかな舞台
 江戸の日本橋。街中に華やかな通り神楽の音色が響くなか、毛槍を持って駆け出てきたのは二人の奴。軽快な足拍子を踏んで、さらに酒を飲み上機嫌になった奴は…。
 江戸の街を駆け回る、威勢の良い奴のリズミカルな舞踊をお楽しみいただきます。

三、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
七五調の名台詞が心地良い河竹黙阿弥の代表作
 江戸の小悪党、髪結いの新三。白子屋へ出入りするうちに、一人娘のお熊と手代の忠七が恋仲であることを知ると、忠七を騙してお熊を誘拐し、身代金をせしめようと企みます。困り果てた白子屋では、乗物町の親分弥太五郎源七に助けを求めますが、源七は新三に追い返されてしまいます。そこで、老獪な家主の長兵衛が乗り出すと、まんまと新三をやり込めますが…。
 江戸の下町情緒が鮮やかに生きる、音羽屋所縁の世話物の傑作をご堪能ください。