(C)こうの史代・双葉社／「この世界の片隅に」製作委員会
ああ……心が今も震えたままだ……誰もが何かを亡くしていく戦争という日常を生きる、生きていく、豊穣でささやかで美しく残酷な、私たちの世代が体験しなかったが知っているあの時代の生活と日常と死。原作に、のんという言霊がのり片渕監督の緻密な世界観が後押しする。ただ涙が。素晴らしかった。生涯心の片隅に残り続ける作品かもしれない。配給が滞ったなかでの工夫を凝らした料理シーンの言葉のリズム、幸せな食卓風景、世界を観察し描き、様々な感情を吐露するすずさんと周りの家族たちの無事を祈り生活を共にし運命に涙し明日を見据える。そんな映画体験。
11:45〜13:50/12:55〜15:10/15:35〜17:50/18:15〜20:30
