2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

 『トゥー・フォー・ザ・マネー』銀座シネパトス

スポーツ賭博という題材にまずワクワクした。アル・パチーノが演じたスポーツ賭博の仲介会社の社長の描き方が素晴らしい。己が見出したフットボールの天才予想家にのめりこみ、己と会社の全てを注ぎ込んでいく。ラストで自身の真の望みを妻と見出した予想家に…

 珍しいキノコ舞踊団『また、家まで歩いてく。』スパイラルホール

初演は見逃していたのではじめて見る。キノコのガーリーでキッチュな部分は今回は、少女っぽさというよりより幼い女の子といった感じを受けた。伊藤千枝さんの歌謡曲好きな部分を押し出した駄目歌詞と駄目コーラスには笑わせてもらった。ムード歌謡とゆった…

 映画 『クラッシュ』日比谷シャンテシネ

良い脚本だ。ロスを舞台に人種問題の巧みな炙り出し方で多数の人間を動かしていき、皮肉な運命や人の尊厳で効果的な場面を描き出していっている。ただ、ラストの落としどころはもう少し前の段階で出来たような気がする。

 3月の読了本

『笑う招き猫』山本幸久 集英社 『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』柴崎友香 河出書房新社 『春になったら莓を摘みに』梨木香歩 新潮社 『センチメンタル・サバイバル』平安寿子 マガジンハウス 『つむじ風食堂の夜』吉田篤弘 ちくま文庫 『さくら…

 映画 『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』恵比寿ガーデンシネマ

傑作。現代舞台にしてこんなカウボーイ譚を描けるとは。カウボーイとしての掟や贖罪の描き方、最後に現れる物悲しい嘘に対する主人公の反応。好きだなあ。良いもの観ました。

 チェルフィッチュ『三月の5日間』SuperDELUXE

やはり名作。戦争に対する個人的アプローチとしてSEXを足跡として刻む。背景処理化された戦争を語った作品としてボクが思い浮かべるのは「東京ノート」だけれど、野心的なものを感じるものとしてはやはりこっちが勝るかなあ。西麻布から渋谷の道玄坂まで、そし…

 映画 『コルシカン・ファイル』銀座シネパトス

面白かった。おフランス探偵コメディでコルシカ島の政治的紛争や習慣を徹底的におちょくっている。流されやすいヘタレ探偵を演じたクリスチャン・クラヴィエが最高。

 『マクダル・パイナップルパン王子』ユーロスペース

いや、すごい。シニカルな寓話ながら、気持ちが透明になってゆくような。映画ながら不思議な読後感を持つ小説を読んだような。ユーロスペースらしい作品だなあ。

 『GOAL!』109シネマズグランベリーモール

王道サクセススポーツもの。プレミア・リーグ編と謳っているのでイングランドの貧しい少年がサクセスする話かと思っていたら、メキシカンの少年が子供の頃アメリカに密入国しロスで草サッカーをしているところを元フットボーラーの男にニューカッスルユナイテ…

 観たい映画

コルシカン・ファイル メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 機動戦士Zガンダム/星の鼓動は愛 ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 ヒストリー・オブ・バイオレンス マンダレイ SPIRIT クラッシュ リトル・イタリーの恋 マ…

 『好きだ、』渋谷アミューズCQN

物語よりも世界の空気や音に比重があるのが石川寛監督の特徴か。17歳の瑞々しさを演じた宮粼あおいと瑛太には痛く感じ入る。『H』のふたりのインタビューを読んで行きたくなったのだけれど、好きだといえなかったふたりの距離感と想いの描きかたが素晴らしか…

 五反田団『ふたりいる景色』こまばアゴラ劇場

即身仏になりたい男はゴマのみを食べて引きこもる生活をして、恋人は呆れかえる話。 こんな直球の五反田団は、はじめてかも。いつもの子供が布団の中で妄想する世界っぽさがなく自己完結したい男の自己への問いかけと恋人との距離感が描かれている。妄想もゴ…

 『シムソンズ』渋谷シネ・ラ・セット

真っ当な青春ムービー。テレビのダイジェスト版的感も漂うがエンタメとして完成度は高い。ガールズムービーは素直に面白いと思える。加藤ローサは面白い。コメディエンヌとしてかなり良い役者じゃないかな。舞台もやって欲しい。

 最近の購入本

『次の町まで、きみはどんな歌をうたうの?』柴崎友香 河出書房新社 『サーティーガール (3)』岩崎 つばさ ジェッツコミックス 『特ダネ三面キャプターズ (1)』海藍 まんがタイムKRコミックス 『凸凹デイズ』山本幸久 文藝春秋 『センチメンタル・サバイバル…

 『有頂天ホテル』相鉄ムービル

『三丁目の夕日』と同じく文句なしのエンタメ映画。中高生もこれなら邦画への取っ掛かりとしても観られるだろう。シチュエーションコメディの狂言回しとしてはもうチョット壊れっぷりや暴走ぶりが足りないような気もするが、戸田さん演じたアシスタントとの…

 ポツドール『夢の城』THEATER/TOPS

前回の物語的エロスとは一転した作品。なるほど、日常的に排泄されるSEXにはエロスが存在しないということか。猿山の猿を観るような感覚は芝居を見る人種への皮肉も感じる。そいえば観客だけど前の列の3人が女性で隣も女性で、むかしポツドールを見ていた知…

 『忘れえぬ想い』シアターN渋谷

亡き婚約者のバスを直して運転手になり子供を育てるといった設定だけで泣ける。ただ、頑張りすぎて片意地張って結局・・・といった展開はあまり好みではなかった。片意地の張り方の嫌な面の描写は香港映画らしい。子供可愛い!おっちゃん渋いぜ!って感じで楽し…