『サントリー芸術財団50周年 黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部 -美濃の茶陶』サントリー美術館

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桃山時代の美濃における茶陶、瀬戸黒から歪む黒織部への美意識の流れは本当に好みだな。近代数寄者が蒐集した黄瀬戸も実に魅力ある。歴史文学出典の意匠の多様さも楽しい。休館前に来られて良かった。

会期
2019年9月4日(水)~11月10日(日)

※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※各作品の出品期間は、出品作品リスト(PDF) をご参照ください。

開館時間
10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)

※9月15日(日)、22日(日)、10月13日(日)、11月3日(日・祝)は20時まで開館。
※いずれも入館は閉館の30分前まで

休館日
火曜日

※11月5日は18時まで開館
※shop×cafeは会期中無休

入館料
一般 当日 ¥1,300 前売 ¥1,100



桃山時代には、茶の湯のためのやきもの「茶陶」が日本各地の窯で創造されました。岐阜県の美濃(東濃地域)では、力強い姿、鮮やかな色、斬新な意匠をもつ茶陶「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」が大量に焼かれ、おおいに流行しました。
しかし実は、「黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部」が美濃で焼かれたと分かるのは昭和のことで、それ以前は瀬戸(愛知県)で焼かれたと考えられていました。昭和5年(1930)、荒川豊蔵(あらかわとよぞう・1894-1985)が岐阜県可児市久々利大萱の古窯跡から志野筍絵筒茶碗の陶片を発掘したことにより、志野が瀬戸ではなく美濃で焼かれたことが明らかになります。この大発見は、美濃焼に人々の関心が集まる契機になりました。また、この頃から近代数寄者、目利き、陶芸家、古陶磁研究家などがそれぞれの立場から活発に古陶磁を蒐集し、研究し、意見を交わし、審美眼を鍛えました。やきものを愛する彼らにとって、美濃焼は憧れの存在になっていきました。
本展覧会では、個性的で生き生きとした美濃焼の造形の魅力をお楽しみいただければと思います。同時に、近代数寄者旧蔵の名品や、近代陶芸家の荒川豊蔵加藤唐九郎(かとうとうくろう・1897-1985)の代表作を通じて、近代以降の美濃焼の人気や評価の高まりを感じていただけましたら幸いです。