『フィクサー』TOHOシネマズ海老名

企業の犬となってダークなもみ消しをする弁護士が追い詰められていくような作品と思っていたのだけれど、全然違った。ジョージ・クルーニー演じるマイケル・クライトン自身は裏稼業をしているような印象は思ったよりもなく、適切な人間を適切な場面で紹介するといった仕事内容で現実味がある。終盤、丘の上で馬たちを見つめて俺は一体何をしているのだろう、何を囚われているのだろうという諦観、苦味の表情がジョージ・クルーニーの真骨頂だと思う。捉えどころは掴み難いけれど好みといえる作品だった。