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 『ふくすけ』シアターコクーン

ここはスズナリか?フリークスが跋扈する見世物小屋的背徳感のある芝居。心を黒く塗りつぶされて劇場をあとにする感覚が懐かしい。多部ちゃん可愛いわあ。舞台だけ出れば良いと思う。

 パルコ・プロデュース公演 三谷版 「 桜の園 」 パルコ劇場

没落する貴族と新興の商人、革命の萌芽。チェーホフの戯曲は完成度が高すぎて、三谷さんでもやっぱりいじれないよなという舞台。登場人物たちの先行きを想像してみたくなるようなキャストの妙は見事。

 NODA・MAP番外公演『THE BEE』Japanese Version 水天宮ピット 大スタジオ

開演前にトイレに行ったら廊下で誰かが歌っていたが、池田成志さんだろうか?宮沢りえの小古呂の妻役のセクシーさよりもリポーター役のワイシャツ姿に欲情するのは普通だよな。

 パルコ・プロデュース公演『テキサス』パルコ劇場

大いに笑ってブラックな展開にニヤニヤして最高だった。HIGHLEGの初演もみとけば良かったな。

 シス・カンパニー公演『その妹』シアタートラム

 遊園地再生事業団 ♯.18 F/T11 参加『トータル・リビング 1986-2011』にしすがも創造舎

都市生活者の日常の記述による柔らかな鎮魂。都市景観や建築物が芝居のなかから浮かび上がる感じを受けるのは宮沢さんとチェルフィッチュの岡田さん。ふたりの東北の都市の未来像を感じさせてくれる芝居とかいつか観てみたいな。

 ポツドール vol.19「おしまいのとき」ザ・スズナリ

何、この演劇的な登場人物たち?と戸惑いながら観ていると、やっぱり出て来た不穏な暴力の気配をもった若者。米村さんの演じる役は、会ったら絶対に逃げると確信出来る怖さ。その点はいつものポツドールながら、今回はカタストロフィの終着点が予測でかる構…

 MITAKA "Next" Selection 12th 参加作品

青☆組『パール食堂のマリア』三鷹市芸術文化センター 星のホール

 渋谷・コクーン 歌舞伎第十二弾「盟三五大切」シアターコクーン

軽妙な会話に笑って、凄惨な復讐劇に慄き、皮肉な因縁に慨嘆する。映画的な演出をかなり使っている感じがして、余韻が従来の歌舞伎とはずいぶん異なるけれど、そこがまたすごい。なるほど歌舞伎映画はこのような演出で撮れば良いのだな。

 「明治座 五月花形歌舞伎」明治座

一、 義経千本桜 (よしつねせんぼんざくら) 川連法眼館 (かわつらほうげんやかた) 市川亀治郎宙乗り狐六法相勤め申し候 けいせい倭荘子 (けいせいやまとそうし) 二、 蝶の道行 (ちょうのみちゆき) 三、 恋飛脚大和往来 (こいびきゃくやまとおうらい…

 パルコ・プロデュース公演「国民の映画」 PARCO劇場

終演間際に地震。動じず演じる役者の方々はスゴイなぁと感心する。 キャラクターたちの会話によるアンサンブルの楽しさに笑いつつ観ていると、ある一言によりナチスの本性が露わになり、心を一瞬にして凍りつかされる。映画を愛するゲッペルス、草木虫を慈し…

 NODA・MAP 第16回公演『南へ』 東京芸術劇場

 「チェーホフ生誕150周年記念『チェーホフ?!』〜哀しいテーマに関する滑稽な論考〜」 東京芸術劇場

素晴らしかった。演劇と云うより、子どもの頃にイメージしたお芝居といった感じ。怪しく奇矯なフリークスたちの饗宴。楽しく猥雑で美しいイメージの奔流に心奪われる舞台だった。役者も美術も音楽も本当に素晴らしい!

 「新春浅草歌舞伎」 浅草公会堂

第一部 三人吉三巴白浪を観る。最近はこういった因果が絡み合う物語は古典芸能でしか味わえない気がする。凄惨さと滑稽さを併せ持つ美意識が感じられる作品は、何度観ても面白い。

 「広島に原爆を落とす日」 Bunkamura シアターコクーン

過去パートのみだったら傑作に近い。八十年代が一周廻ってラノベに近くなったようなセンスの作品。歌とダンスのタイムスリップしたような演出には、観ていて妙に気恥ずかしい。正直、若い演出家でやって欲しかったな。

 NODA・MAP 「ザ・キャラクター」 東京芸術劇場 中ホール

野田地図は、今回も震える傑作だった。野田さんは神話の紡ぎ方、語り口においては、稀有な方だ。

 裏切りの街 / パルコ PARCO劇場

三時間かあ。珍しく良い席だ。岡村ちゃんが流れていないと、三浦大輔の芝居を観るぞという気合が今ひとつ入らない。小学生女児がいた。エキセントリックな親御さんだな。いつ、激情が迸るのか、不穏さが爆発するのか待ち構えていたら、意外なほどの穏やかさ…

 SIS Company「2人の夫とわたしの事情」Bunkamuraシアターコクーン

W.サマセット・モームといえば思い浮かぶのは、「月と6ペンス」MI6の諜報員くらいで戯曲は読んだことがなかったけれど、良質なコメディーで面白かった。奥さんを2人の男が押し付け合い、逃げようとする様がおかしくてたまらない。シニカルさもいいね。

 野田秀樹芸術監督就任記念プログラム「農業少女」東京芸術劇場 小ホール1

 チェルフィッチュ「わたしたちは無傷な別人であるのか?」横浜美術館レクチャーホール

ビール缶、タワーマンション、自分の中の自分、別人が語るわたし。近景と遠景。

 阿佐ヶ谷スパイダース『アンチクロックワイズ・ワンダーランド』本多劇場

芝居を観ていて、文章が浮かび上がってくるような小説的な舞台。メタ小説を視覚化した試みとしては、面白い。

 『新春浅草歌舞伎』浅草公会堂

 『東京月光魔曲』シアターコクーン

 フェスティバル/トーキョー09秋 庭劇団ペニノ『太陽と下着の見える町』にしすがも創造舎

ペニノは初めて。強烈なmix感。場面転換の重低音による感性のシェイク、観客の意識の断片化。

 毛皮族の軽演劇「ふれる」駅前劇場

駅前なのにTOPSよりも客層おっさんばかりで不思議。軽演劇は初めて、饒舌な労働者階級の叫びお芝居を笑って堪能。幕間に「ゴッドファーザー」吹き替え版が一部上映で何で?と思っていたらアフタープレイ軽演劇『おっぱいファミリー1,2,3』がパロディだった。…

 「ジェーン・エア」日生劇場

シャーロット・ブロンテの原作は読んだことはないです。ヴィクトリア期の文学ということでキリスト教的な思想が根底にある物語。場面転換が実にスピーディーで楽曲の余韻よりも物語的テンポを優先させ、物語への吸引力を強めている。清新な主人公像、荒野の…

 野田秀樹 東京芸術劇場 芸術監督就任記念プログラム「ザ・ダイバー 日本バージョン」東京芸術劇場 小ホール1

久しぶりに舞台と闘ったあ、と慨嘆できる凄まじい芝居でした。歴史の幽玄と小劇場のエッジを持った現代的演出が合わさり、物語的現世の2層の空間が交互にそして同層と化していく。演じ手の力量も一流。大竹しのぶの恐ろしさを久しぶりに堪能した。

 新橋演舞場八月歌舞伎公演「石川五右衛門」新橋演舞場

 「ダンス・オブ・ヴァンパイア」帝国劇場

ノリとテンポは好みだった。何より歌が楽しくて良かったな。第1部をもうちょっと短くしてヴァンパイア達のはじけた歌踊りを増やせば面白くなりそうなのにな。ミュージカルはノリが大事よとカーテンコールで立ち上がり、ヴァンパイアダンスを踊って劇場を後に…

 「LOVE 30 VOL.3」PARCO劇場

やっぱり良いな。程よく洒落ていて、大人の滋味と笑いの散りばめ方もとっても好み。3編どれも良かったけれど松重 豊 & ともさかりえの床屋の話の淡い想いを込めたシャボン玉の物語が好きだなあ。個人的にはPARCO劇場ではこういうものが観たいのだ。来年もや…