『壽 初春大歌舞伎』歌舞伎座

昼の部
當辰歳歌舞伎賑

11:00-11:22
幕間 25分
荒川十太夫

11:47-12:51
幕間 35分
狐狸狐狸ばなし

1:26-3:09

昼の部
一、當辰歳歌舞伎賑(あたるたつどしかぶきのにぎわい)
五人三番叟
英獅子

〈五人三番叟〉

〈英獅子〉
三番叟
三番叟
三番叟
三番叟
三番叟

芸者
鳶頭
鳶頭

中村福之助
鷹之資
歌之助
玉太郎
虎之介

雀右衛門
鴈治郎
又五郎

神田松鯉 口演より
竹柴潤一 脚本
西森英行 演出
赤穂義士外伝の内
二、荒川十太夫(あらかわじゅうだゆう)
荒川十太夫
松平隠岐守定直
大石主税
杉田五左衛門
泉岳寺和尚長恩
堀部安兵衛
松緑
坂東亀蔵
左近
吉之丞
猿弥
中車

北條秀司 作・演出
奈河彰輔 演出
大場正昭 演出
江戸みやげ
三、狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)
手拭い屋伊之助
女房おきわ
雇人又市
博奕打ち福造
おそめ
弔問の女おしづ
遊び帰りの男
寺男甚平
法印重善
幸四郎
尾上右近
染五郎
廣太郎
青虎
梅花
宗之助
亀鶴
錦之助

一、當辰歳歌舞伎賑(あたるたつどしかぶきのにぎわい)
辰年の幕開き、舞踊2題で華やかに
〈五人三番叟〉
 五人の三番叟が天下泰平と五穀豊穣を祈り、躍動感たっぷりに舞い踊ります。
〈英獅子〉
 艶やかな芸者といなせな鳶頭、粋で華やかな踊りに江戸情緒があふれます。

 賑やかでおめでたい舞踊2題で、令和6(2024)年の幕開きを寿ぎます。

二、荒川十太夫(あらかわじゅうだゆう)
反響に応え再演、十太夫が抱える苦悩と覚悟
 赤穂義士の七回忌を弔う人々が行き交う泉岳寺の門前。下級武士に似つかわしくない身なりでやってきたのは伊予松山藩松平家徒士(かち)侍・荒川十太夫。偶然居合わせた同藩目付役の杉田五左衛門は、武士が身分を偽ることは大罪であると、十太夫咎めます。その日の夜、取り調べの場で松平隠岐守から理由を問われた十太夫は、赤穂義士の一人・堀部安兵衛介錯をつとめた日のことを語り始め…。
 令和4(2022)年10月、人間国宝の講談師・神田松鯉の口演による「赤穂義士外伝」を歌舞伎として初演。討入りを果たした堀部安兵衛介錯人をつとめた下級武士、荒川十太夫の苦悩と覚悟を情感豊かに描き出した新作歌舞伎は、その年の「大谷竹次郎賞」や「文化庁芸術祭賞・優秀賞」を受賞するなど大きな反響を呼びました。義に生きる十太夫の誠実さが胸を打つ、「忠臣蔵」の後日譚をご堪能ください。

三、狐狸狐狸ばなし(こりこりばなし)
初笑いを歌舞伎座で! 虚々実々の騙し合い
 江戸・吉原田圃で手拭い染屋を営む伊之助は、元は上方の女方役者。女房のおきわと使用人の又市の三人で暮らしています。かつて女郎だったおきわは、酒飲みで怠け者のうえ、今ではなまぐさ坊主の重善と深い仲。それを知ってか知らずか、伊之助のおきわへの執着は増すばかり…。ある日、おきわは重善と一緒になりたい一心から、伊之助を毒殺。しかし翌朝、死んだはずの伊之助がひょっこりと現れたものだから大騒動! 男と女の色欲が絡み合うなか、虚々実々の騙し合いの行方は――!?
 昭和36(1961)年初演、北條秀司作の喜劇の傑作。女房にぞっこんの主人公・伊之助、奔放で美しい女房おきわ、色男の法印重善、おかしみあふれる雇人又市ら個性豊かな登場人物が狐と狸の化かし合いよろしく、二転三転の騙し合いを展開します。初笑いを歌舞伎座でお楽しみください。