『フランドル』ユーロスペース

フランドルの田園風景から砂漠の戦場へ。農場を営む青年と隣に住む少女。二人の行動が説明もなくBGMもなく、淡々と描かれていく。印象としては昨年観た『ゲルマニウムの夜』に近い。農場を歩くときの湿った土を踏みしめる音、暴力や性への欲望の終着点こそが聖なるもの、神へ近い。戦場で人を殺し殺され、少年を殺し、女を犯す、当たり前の情景が描かれる。それは土を耕し、性交をし、風景を眺める日常となにも変わりはない。少女は妊娠をして心を壊し家に帰り帰ってきた青年を責めて受け入れる。そんな日常の当たり前な物語。