明治座創業百五十周年記念『市川猿之助奮闘歌舞伎公演』明治座

<昼の部>11:30開演
歌舞伎スペクタクル『不死鳥よ 波濤を越えて―平家物語異聞―』

文治元年の春遅く、平家が壇ノ浦の戦いで滅び去ってから早ふた月。仮内裏として栄えた屋島も見る影もなく廃虚と化しています。そこで見果てぬ悪夢にうなされながら目を覚ましたのは、新中納言平知盛。知盛は壇ノ浦の合戦の最中、落命寸前のところを宋の水軍の将、楊乾竜に助けられ、密かに一命をつないでいました。乾竜は名将として知られた知盛を宋に連れていくことを画策し、迫りくる源氏の追手から逃れようやく唐戸の浜まで辿り着きました。そこで、深く心を通わせた若狭と再会できたのですが、漸く現れた宋の船には女人禁制の掟。知盛は大いに苦悩すると、若狭は美しい姿で舞い始め…。 昭和五十四年二月に梅田コマ劇場で、植田紳爾作・演出、三代目市川猿之助(現市川猿翁)主演で初演されました。壇ノ浦の戦いで戦死したとされる平知盛が海を渡り、幻の都ローランに落ち延びたという大胆な設定と、歌舞伎に歌劇の演出が盛り込まれた“歌舞伎レビュー”として「壮大なスペクタクルロマン」が大きな話題を呼びました。今回、歌舞伎作品としては四十四年振りの上演で、伝説の「不死鳥」が色鮮やかによみがえります。

平知盛 市川猿之助
白拍子若狭/紫蘭 中村壱太郎
衛紹王 中村 米吉
楊乾竜 中村 隼人
蓮花 市川 男寅
佐伯義澄 中村福之助
伊藤利正 中村歌之助
難波盛広 市川 青虎
宰相武完 下村 青
監物為春 嘉島 典俊
師の尼 市川笑三郎
白拍子陽炎 市川 笑也
入江相政 市川 猿弥
景山高次 石橋 正次
平通盛 中村鴈治郎